多少耳垢があっても特に困ったことがなければ、取る必要はありません。
しかし、耳に異常(痛い・よく聞こえない・耳鳴りがする)があるが、耳垢のために耳の奥が観察できない場合は耳垢をとってから観察してみましょう。

耳垢の取り方について解説します。

STEP 1 耳垢除去する前に注意すること。

・耳垢除去中に急に押されたり、驚かされたりすると器具で耳の中を傷つけることがあります。一人きりでない場合(特に小さなお子さんがいる場合)は、これから耳垢をとるので近づかないように伝え、取っている間も十分注意しましょう。
・誰かの耳垢を除去しようとするときに、相手が動いてしまいそうならば、耳の中を傷つけてしまう危険があるのでやめておきましょう。耳に異常(痛み・難聴・耳鳴など)があるのに耳の中を確認できない場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

STEP 2 デジタル耳鏡で耳垢の位置を確認しましょう。

 ➡耳垢はあるが、耳の奥まで見えるときは耳垢は取る必要はありません。
 ➡耳に異常(痛み・難聴・耳鳴など)があるが、耳の奥のほうに耳垢があり観察できない場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
 ➡耳垢が手前にあり、耳の奥が見えないときは以下の方法で耳垢を取ってみましょう。

STEP 3-1 誰かの耳垢をとる場合

① デジタル耳鏡に透明のプラスチック製の耳かきを装着しましょう。
② 耳に入れる前に、どのようにデジタル耳鏡を持てば画像が ”上下左右が正確に” 写されるかしっかり確認してください。
③ 耳の穴は敏感なので優しく掻き出すようにしましょう。
④ 相手が痛がる場合はデジタル耳鏡に装着した耳かきで取るのはやめて、LEDヘッドルーペを使いましょう。
⑤ LEDヘッドルーペで耳の中を照らしながら、デジタル耳鏡に付属している金属製の耳かきかピンセットを使いましょう。
⑥ ”べたべた”耳垢は掻き出すタイプの耳かきを、”カサカサ”は綿棒タイプかピンセットを使いましょう。

STEP 3ー2 自分一人で取る場合

・デジタル耳鏡にプラスチック製の耳かきを装着し、自分でモニターを見ながら耳垢を取るのはかなり難しいです。耳の穴を傷つけたりする可能性が高いのでかなり器用な方でない限りお勧めできません。
・耳垢が入口近くにある場合に限り、以下の方法を試してみて下さい。

①デジタル耳鏡で耳垢が上下左右どのあたりにあるか確認しましょう。
② 耳垢がついている向きに付属の金属製の耳かきを浅く挿入し、やさしく掻き出しましょう。”べたべた”耳垢は掻き出すタイプの耳かきを、”カサカサ”は綿棒タイプを使いましょう。
③ デジタル耳鏡で取れたかどうか確認しましょう。
④ 耳の奥が観察できるようになるまで、①~③を繰り返しましょう。         

十分観察できるならば、耳垢をすべて取りきる必要はありません。
耳に異常(痛み・難聴・耳鳴など)があるが、耳の奥のほうに耳垢があり観察できない場合や、痛みがありうまく取れず観察できない場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

サンプル画像 取るのが難しい耳垢

耳垢が奥にあり、穴を完全に閉鎖してしまっています。
このような耳垢を自宅で取ることは難しいので耳鼻咽喉科を受診しましょう。