(りょうせいほっさせいとういめまいしょう)
どんな症状ですか?
- 寝返りや起き上った時など頭の向きを変えたときに回転性のめまいが出現する。
- 吐き気やふらふらは長く続く感じがする。
- 回転性めまい発作は数秒から一分以内で、頭の位置を静止するとめまいは止まる。
- 聴力の変化はない。
- 意識消失・手足のしびれ・飲み込みにくい・ろれつが回らない等の症状はない。
セルフチェックしてみましょう!
回転性めまいが、何をすると出現するか?どのくらいの時間続くか?確認しましょう。以下のすべての項目が当てはまれば良性発作性頭位めまい症が疑われます。
- 寝返りや起き上った時など、頭の向きを変えたときに回転性のめまいが出現する。
- 回転性めまいは1分以内におさまる。
- めまいは繰り返しているうちにだんだん弱くなっていく。
- 難聴や耳鳴りはない。
これからどうすればいいの? 自宅で様子を見れる場合。
- 自然軽快が多いですが、リハビリ(積極的に頭の位置を変える運動)をした方が治癒は早まりますので積極的に行いましょう。
- 市販薬(おすすめの一般用医薬品は?を参照してください)を内服しましょう。
- リハビリを行っているのに、数日しても改善してこない場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
リハビリをしてみましょう。
① 寝起きの運動をゆっくり繰り返す。(手を使ってもかまいません。)
- ベッドや床に横になって、繰り返します。背を押さえてもらいながら行うと楽です。
- 寝起きで2~3秒そのままの位置で止めてください。
- 注意:腹筋運動ではありません。
② 床を向く、天井を向く運動を、体全体を使ってゆっくり繰り返す。(椅子に座っても可)
- 床を見るように下を向きひと呼吸止めて、次にゆっくり天井を見るように上を向きひと呼吸止めます。
- めまいがしたら止まるまでその位置で止めてください。
- ゆっくり行ってください。
- 注意:頸椎を痛めることがありますので首だけで行わないようにしましょう。
③ 寝返りの運動を体全体でゆっくり行う。
- 左右への寝返りの運動です。寝返った位置でひと呼吸止めてください。
- 絶対に首だけで回さず、体全体でゆっくり回ってください。
- めまいがしたら、止まるまでじっとして、止まったら反対に寝返ってください。
それぞれの運動を5~6回繰り返して行いましょう。(可能な運動だけでも構いません)
めまいを起こしても怖がらずに、1時間おきに繰り返しましょう。
気分が悪くなったら休んで、落ち着いたらまた始めましょう。
市販の医薬品(トラベルミン)を内服して行っても構いません
これからどうしたらいいの? 耳鼻咽喉科を受診する場合
- リハビリを行っているのに、数日しても改善してこない場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
これからどうするの? 救急要請をする場合。
- めまいだけでなく、手足のしびれ・飲み込みにくい・ろれつが回らないなどの症状がある場合は、脳が原因のめまいの可能性が高いため救急要請してください。
- 119番に電話をかける。➡「救急です」と答える。➡「誰が、いつ、どうしたか」を説明する。
おすすめの一般用医薬品は?
良性発作性頭位めまい症はどんな病気?
- 誘因不明な場合がほとんどですが、頭部外傷・むち打ち、中耳炎、長期臥床などが誘因となることがあります。
- 頭の向きの変化で三半規管(回転や加速を感じる器官です)の浮遊耳石が移動したり、付着したりしてめまいが起こります。
- 寝返りや起き上った時など頭の向きを変えたときに回転性のめまいが起きます。一回のめまいは数秒から一分以内で、頭の位置を静止するとめまいは止まります。聴力の変化は伴いません。
耳鼻咽喉科では何をするの?
- フレンツェル赤外線眼鏡で頭を動かしたときの異常な眼球運動(眼振)の様子を観察します。
- 聴力検査や平衡機能検査を行い、他の病気でないか確認します。
- 制吐剤や抗めまい薬を投与する場合もあります。