(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)
どんな症状ですか?
小児の場合
- 睡眠中の持続性のいびき、肩呼吸、陥没呼吸(胸がへこみます)、無呼吸。
- 仰向けで眠れない、寝返りが多い、夜中に突然起きる、おむつが取れない。
- 食事中でも眠る、抱っこするとすぐ寝てしまうなどの日中の眠け。
- 体重が増えない、日中落ち着きがないなど 。
大人の場合
- 著明ないびき。
- 夜間に頻繁に起きてしまう。
- 日中に過度の眠気が出る。
セルフチェックしてみましょう!
- スマートフォンでのどを撮影し、サンプル画像と比較してみましょう。
- 扁桃腺は大きいですか?咽頭が狭くないですか?口蓋垂(のどちんこ)は長くないですか?
- いびきの検査アプリを使ってみましょう。
- いびきの音は大きくないですか?途中で息が止まっている様子はないですか?
サンプル画像
どうすればいいの? 自宅で様子を見れる場合。
- いびきや無呼吸・食事がつかえるなどの症状がなければ、扁桃腺が大きくても様子を見てもらって構いません。
- いびきがあっても軽く、無呼吸がない場合は、市販の鼻呼吸テープ(口とじテープ)を試してみましょう。
- アレルギー性鼻炎で鼻がつまっている場合は市販のアレルギー薬(アレルギー性鼻炎のおすすめの一般用医薬品は?をご参照ください。)を使ってみましょう。
- 肥満気味の場合は減量しましょう。
どうすればいいの? 耳鼻咽喉科を受診する場合。
- いびきの音が大きい場合や息が止まっているかもしれない場合。
- いびきの音は大きくないが、夜間に頻繁に起きたり、日中に過度に眠くなってしまう場合。
- 小児の場合、いびきの音は大きくないが、扁桃腺が大きいために食べ物がつかえて、食事がとても遅かったり、体重が増えにくい場合。
おすすめの一般用医薬品は?
- 鼻呼吸テープ(口とじテープ)
睡眠時無呼吸症候群はどんな病気?
小児の場合
- 多くがアデノイド増殖症、口蓋扁桃肥大によります。
- 睡眠中、息を吸った時にのどが閉塞しています。
- 睡眠中の持続性のいびき、肩呼吸、陥没呼吸(胸がへこみます)、無呼吸
- 仰向けで眠れない、寝返りが多い、夜中に突然起きる、おむつが取れない、
- 食事中でも眠る、抱っこするとすぐ寝てしまうなどの日中の眠け
- 体重が増えない、日中落ち着きがないなど
成人の場合
- 原因は肥満や扁桃肥大、小さなあごや後ろに下がったあごなど。
- 睡眠中、吸気時に上気道(気道のうち鼻腔~鼻咽腔~咽頭・喉頭)が閉塞し無呼吸となります。
- 著明ないびき、夜間に頻繁に覚醒するので日中に過度の眠気が出ます。
- 短期覚醒が交感神経を興奮させ高血圧になりやすくなります。
- 間欠的低酸素血症は酸化ストレス、インスリン抵抗性、血小板凝集能を増加させたり、多血症を招いたりするので、虚血性心疾患、糖尿病、高脂血症、メタボリック症候群になりやすくなります。
- 日中の眠気による社会生活への不適応は抑うつ気分やうつ病にもつながります。
耳鼻咽喉科では何をするの?
小児の場合
- 睡眠中や日中の様子をお聞きします。
- のどや鼻の様子をよく観察し口蓋扁桃肥大やアレルギー性鼻炎がないか確認します。
- ファイバースコープやレントゲン検査でアデノイド増殖症がないか確認します。
- 無呼吸簡易モニターを持ち帰っていただき、自宅で睡眠中に検査します。
- 原因がアデノイド増殖症や口蓋扁桃肥大ならば手術を行います。
- アレルギー性鼻炎による鼻閉がある場合はその治療を行います。
成人の場合
- 睡眠中や日中の様子をお聞きします。
- 睡眠中に呼吸運動、血中酸素濃度、鼻・口の気流を記録する無呼吸簡易モニターにより診断します。
- これで診断できない場合は、脳波、筋電図、心電図、眼球運動、呼吸運動図を記録するポリソムノグラフェィー(PSG)を行います。
- 扁桃肥大があればその治療(切除術)が効果的です。
- 軽~中等症の睡眠時無呼吸症候群の方で、あごや顔面の形態が原因と考えられる場合は口腔内装置(マウスピース)を歯科に依頼し作成します。
- 重症の睡眠時無呼吸症候群の方は、経鼻持続陽圧送気(CPAPシーパップ療法)を行います。鼻マスクを装着し、陽圧を加えて気道内圧を高め無呼吸を改善させます。